インフレ(物価上昇)リスクとメリットと住宅ローン

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フラット35で住宅ローンを組む際、様々なリスクがありますが、ここでは、インフレリスクと住宅ローンについて、私見を交えながら、考えてみたいと思います。

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さて、物価が上昇する通称「インフレ」 平たく言えば、野菜の値段も上がるし、塾の値段も上がるし、車の値段や、家の値段も上がるというような状況です。

1990-2010年代の失われた20年を通じて、日本は歴史的にも稀な長期の「デフレ」に見舞われました。「インフレ」がどういうものか、分からないあるいは忘れたという人も少なくないと思いますが、インフレ時に住宅ローンを抱えていることは、リスクもあれば、メリットもあります。

では、まずメリットから見ていきましょう。

○インフレ時のメリット その1

「借金は目減りする」

インフレになるというのは、例えば、去年までは100万円で買えた車が、今年は同じ車を買おうとすると、200万円掛かるということです。

「物価が2倍になるなんて…そんなこと…日本で今後あるの?」

と思われる方がいるかもしれませんが、(例えば、資産インフレと言われますが、)日経平均が7,000円から2倍の14,000円になるなんてことは、デフレ下の日本でも何回かありました。

株価や為替と、実体経済は決定要素が違いますから、単純に比較はできませんが、2003年や2012年といったデフレのピークから、物価水準が2倍になる可能性があるかないかと言われれば、「ある」と思います。

では、借金はどうなるでしょうか?

物価が2倍になるということは、(話をわかりやすくするために2倍にしているだけで、○倍と読み替えて頂いてもOKです。)

1000万円あった借金は、見た目は変わりませんが、仮に物価が2倍になったとすると、その借金の価値は、半分の500万円になります。

「ほ、ほんとに!?」

借金が何もしてないのに、半分になるの?

なります。

なぜなら、インフレというのは、通貨の価値が減ることだからです。例えば、上の例で言えば、去年も今年も同じ車であれば、商品としての価値は基本的に変化していません。ただ、通貨の価値が減ってしまったのです。

もう少し、説明を加えます。今度は、車の売り手から見てみましょう。

車の売り手の人は、去年であれば、100万円で売れたものを今年は200万じゃないと売れないと言います。なぜなら、売り手の人も生活があって、野菜や家賃や、学費なども昨年より2倍近くになっているので、自分が販売している車の値段も値上げせざるを得ないのです。

ここで、住宅ローンに戻ります。

昨年までは1,000万円あった住宅ローン=借金は平均的な物価水準が2倍になったとしても、ローンの金額そのものは、銀行が勝手に増やすことはできません。そして、現金としての価値は今や1/2の状況です。

ローンというのは、現金として借り入れているわけですから、現金の価値が半分になったら、当然、1,000万円あった借金は物価水準が2倍になった状況下では、価値としては半分の500万円になります。

見た目は1,000万円のままですが、今や1,000万円は去年の1,000万円の半分の価値しかないのです。

○インフレ時のメリット その2

「資産価値が上昇する」

インフレ時は様々なモノの値段が上がりますが、当然、不動産もその対象で、株や為替と並んで、実体経済よりも変動が大きい資産になります。

2年前には、5,000万円だったあの物件が今年は、6,000万円になってるらしいなんて話は一度や二度耳にしたことがあるのではないでしょうか。

REITや不動産会社の株価も不動産の値動きに敏感に反応します。

さて、資産価値が上昇すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

単純に購入時よりも、高い値段で売却すれば、利益が出ます。東京都などでは、珍しくありませんが、不動産の売却益を次に住む物件の頭金にするなんていう強者もいます。

また、賃貸に出すときには、物価上昇時は家賃も当然高くなりますので、家賃収入も期待できます。

インフレ時は、為替が円安になりがちですので、海外の投資家が東京の不動産に対する投資意欲を活発化させることで、ますます資産価値が上昇して、より売却しやすくなるという流動性が生まれます。

○リスクその1

「インフレ下の可処分所得の低下」

最も、最悪の展開と言えば、これかもしれません。インフレであらゆる物価水準が上昇しているにも関わらず、自分や世帯の給料が増えない…という状況です。

さすがに物価水準が2倍近くになれば、可処分所得もある程度、増える公算が高いですが、昨今の日本の企業の状況を見てみると、必ずしもそうとうは限らないかもしれません。

なぜなら、最近の大手企業は、仮に業績が良くなっても、その利益を従業員ではなく、株主に還元することが多く、また、中小企業においては、インフレに対して価格を転嫁しきれず、価格決定権を持っている企業を除けば、逆に、粗利を悪化させかねず、場合によっては、売上は上昇、利益は減少となりかねません。

これでは、いくらインフレで住宅ローンが目減りしたと言っても、手取り収入がほとんど増えないので、返済は変わりませんが、インフレの分、生活が苦しくなるだけです…。

ここでも、現金という形の給料はどうしてもインフレ化では弱くなってしまいます。

インフレヘッジとしては、株式からの配当や、インフレ連動債への投資などでしょうか…。

物価上昇を吸収して、その恩恵を受けられる資産(できればキャッシュフローが発生する)を保有していると有利だと思います。

○リスク その2

インフレは、金利にも敏感に反応します。株価も、不動産も市場最高値をつけた1988~9年は住宅ローン金利は約8%前後!でした。

変動金利のリスクについては、下記記事を参考にしてみて下さい。

変動金利リスクと毎月のローンの支払いが増えることについて

http://www.funny-magazine.com/change/

【まとめ】

インフレは、単に不動産投資という側面からみると、かなりメリットも多く、心強いですが、(※給与所得がインフレに連動すれば、繰り上げ返済もできて、上手くいけば、早期返済も可能)実体経済における給与所得などは必ずしもインフレに強いと言い切れなかったり、変動金利の場合、金利の上昇=ローンの支払の増加につながるので、生活に関わるリスクもあります。

※物価が2倍、給与所得が2倍になった場合の支払い例

○インフレ前

給料30万円 生活費15万円 住宅ローン10万円 その他5万円

○インフレ後

給料60万円 生活費30万円 住宅ローン10万円 その他10万円

実際には、繰り上げ返済するのは、各銀行により、100万円からなどの条件がありますので、
住宅ローンを契約して、返済されている銀行にご確認下さい。

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