融資の実効金利はどのように決まるのか?決定の原因・要因とそのカラクリに迫る

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フラットで住宅ローンを組む際、気になる条件には様々なものがあると思いますが、その中でも最も気になる条件の一つに融資の「実効金利」があります。

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毎月の支払額やローンの総支払額に(状況によっては数百万単位で変動)大きく影響を与え、今後の生活にも大きな影響をもたらす「実効金利」のカラクリに迫ってみたいと思います。

まず、最も重要なポイントとして、フラットで住宅ローンを組む場合、融資の実効金利が決まるのは、契約した月や申し込みをした月(手付金を払ったとき)ではなく、「物件の引渡しをした月」ということが挙げられます。

例えば、マンションの入居が1年後の4月1日で、抽選→仮申込みが終わったところだとしますと、通常、契約は入居する前月や数週間前に行われ、そして、実際の融資の実効金利が決まるのは、1年後ということになります。

金利の水準が仮に1%変動しますと、融資額に寄りますが、数百万円単位で支払総額が変動するということになります!

しかし、申し込みから1年後の金利水準を見極めて、予想するというのは、これは金融市場のプロでも至難の業です。仮に、その金利水準を予想できるのであれば、金融市場でその水準を予想したポジションで利益を得ることもできるでしょう。

話題が逸れてしまいましたが、1年後の融資の実行金利を予測するというのは、大変な難題で、誰も正確には予想できないことですので、その話題は一旦、置いておきまして、融資の実効金利がどのように決められているのかということをここから説明していきたいと思います。

○10年国債の利回り

まず、最も市場関係者が目安としているのが、フラットの融資実効金利のベースとなる新発10年国債の利回りになります。

下記のサイトを見てもらえれば、直近の10年国債の利回りを見ることができます。

国債金利情報 財務省

http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/jgbcm.htm

10年国債の利回りの推移はこちらのチャートから見ることができます。

Japan Govt Bond Year to maturity 10 Year Simple Yield- Bloomberg

http://www.bloomberg.com/quote/GJGB10:IND/chart

フラット35の目安となり、相関が高いと言われている新発10年国債の利回りですが、実際には、必ずしもフラット35の融資実行金利と相関して動くわけではありません。

住宅金融支援機構

http://www.flat35.com/kinri/index.php/rates/top

これまでの【フラット35】お借入金利の推移はこちら

http://www.flat35.com/document/public/pdf/kinri_suii.pdf

上記を見て頂けると分かりますが、10年国債の利回りが下がっているのに、融資の実効金利が下がっていないこともあります。

それでは、他に何が影響するのでしょうか?

○貸付債権担保住宅金融公庫債券

非常に長い名前の債券で馴染みのない方も少なくないかもしれませんが、誤解を恐れずに平たく説明しますと、フラットで住宅ローンを組まれる方の住宅ローンを束にして、住宅金融支援機構が投資家に販売する債券になります。

実はこの長~い名前の債券は、上記の新発10年国債とほぼ同等か、それ以上の目安になります。

(参考までに、過去に発行された債券の情報は住宅金融支援機構のウェブサイトから見ることができます)

http://www.jhf.go.jp/investor/shisan_tanpo/kihatsu.html

細かい説明は別にしまして、フラットで住宅ローンを組まれる方に重要なポイントを抜粋して説明しますと、「表面利回り」という箇所の数字が重要になってきまして、この債券の表面利回りに対して、どれぐらいの利益を銀行側が設定してくるのか、ここがポイントになります。

この銀行側の利益も幅があるのですが、0.7~0.74bpsが目安と言われていまして、例えば、2013年の2月20日に条件が決定した

【資産担保証券】貸付債権担保第70回住宅金融支援機構債券の発行条件の表面利回りを見てみますと、

「1.25%」

となっています。

そして、2013年の3月に決められたフラット35の固定金利は最低水準で「1.990%」となっていました。

つまり、銀行側が設定した利ざやは

1.99-1.25=0.74%

となっています。

これを逆算しますと、大体、当月の20日前後に発表される貸付債権担保第70回住宅金融支援機構債券の発行条件の表面利回りに0.7~0.74bpsをプラスした数字が翌月のフラット35の金利に相当します。

ただ、こちらも新発10年国債の利回りと同様、必ずしも、相関しているわけではありません。

なぜなら、銀行側が利ざやの水準を変更してくる可能性があるからです。

○融資の実効金利のリスクを低く抑えるために

フラット35で住宅ローンを組まれる方は、融資の実行が迫ってきますと、恐らく、引渡しを当月にするか、来月にするかという程度の選択肢はあると思います。

となると、少しでも金利を低く借りたいというのが、人間の心理ではないでしょうか。

しかし、上でも説明しましたが、来月の金利水準を予想するのは、難しいものです。ただ、だからと言って、諦めてしまうのも納得がいきません。

筆者も個人的な見解を述べてみたいと思います。

●6月は何かかが起こる?

国債の利回りは、過去、6月を境にして、大きく変動した過去を持っています。もし、ずっとここのところ、金利が下がり続けてきていて、5月と6月や6月と7月で迷われるのであれば、変動リスクの少ない前の月の、5月や6月を選択し、逆に金利が上がり続けてきたのであれば、反対に6月や7月と後ろの月を選んでみるといいかもしれません。

●国策に売りなし

金融市場の関係者の中では、よく言われますが、「国策に売りなし」です。2012年の年末から2013年にかけて、自民党が再度、政権を握り、アベノミクスの掛け声の下、次元の違う金融緩和を行うことを宣言しました。

その金融緩和の中身と言えば、色々あるのですが、その中でも、代表的なものが「長めの国債の買い入れ額を増額する」というものです。

つまり、10年、20年、30年の国債を日銀が買い入れると、公然と言っているのです。

もちろん、常にそうなるとは限りませんが、少なくとも日本が量的緩和に動く、それも強力な量的緩和に動いているときは、(その時が日本の信認低下からくる国債価格の急落時でなければ、)、金利は下がります。

そして、新発10年国債の金利が下がるということは、貸付債権担保住宅金融公庫債券の表面利回りも下がるということですから、それは、住宅ローンの金利低下を招くということになります。

【まとめ】

金利の水準を予想するのは難しいですが、6月アノマリーや日銀の量的緩和期かどうかなどは、憶えておくと役に立つことがあるかもしれません。

また、選択に迷われたときは、貸付債権担保住宅金融公庫債券の表面利回りを参考にするというのも、一つの方法だと思います。

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