フラット35の審査は甘いの?厳しいの?

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結論から先に述べますと、住宅ローンの審査の中でも、フラット35の審査は民間の住宅ローンと比べると、明らかに甘いです。

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これには構造上の明らかな理由がありまして、2012年の10月に会計検査院が指摘したところでもありますが、

「金融機関が原則として信用リスク等を負担していない」

からに尽きると思います。

構造的な理由というのは…

フラット35の簡単なお金の流れは、

あなた⇔金融機関(銀行)⇔住宅金融支援機構⇔投資家

となっています。

フラット以外の住宅ローンのお金の流れは

あなた⇔金融機関(銀行)(⇔投資家)

となっています。

住宅ローンは、お金を貸す側からすれば、貸し倒れリスクが常に伴います。(他にもリスクはあります。代表的なリスクとして…)

そして、1990年前後のあの資産バブルを経験した金融機関は何よりも「不良債権」に敏感です。

それが、フラット35になると、なんと!リスクを取らなくてもいいんですから、仮に利益が薄くても、美味しい話というわけです。

フラット35を提供しているのは、国からの多額の出資金及び補助金の交付を受けて事業を実施している独立行政法人住宅金融支援機構です。

平たく言えば、「税金」です。

そして、この独立行政法人住宅金融支援機構の目的は「フラット35事業の拡大・浸透」に重点をおいて活動を行ってきています。

言い換えれば、まずはフラット35の審査を厳しくするのではなく、多少、審査を甘くしても事業を拡大、浸透させるのが最優先の目的ということになります。

つまり、ここまでの流れで分かるのは、フラット35に係るリスクを「本質的に」負担しているのは、金融機関ではなく、住宅支援機構でもなく(本来はここが負担)、投資家でもなく、多額の補助金と出資金で事業を支えている「税金を払っている国民」ということになります。

このモデルが機能しているのは、分かりやすく言えば、「日本人が真面目で、住宅ローンという名の借金をちゃんと返す」ということが前提です。

ただ、この制度が悪用されるケースが増えると、上の前提が崩れて、いわゆる「信用リスク=取引の当事者が不信感を募らせる」が増大して、金利の上昇リスクに見舞われます。

アメリカで起きたサブプライムローンの崩壊は形は違いますが、信用リスクが増大→金利上昇→不良債権の山→金融機関の相次ぐ倒産→資産デフレといった流れでした。

ちなみに、2012年の10月に会計検査院が「不適正案件や早期延滞案件の多発」として指摘した具体的な事例として下記が挙げられています。

【引用開始】

<事例1>

借受者Aは、無職であったが、虚偽の勤務先及び収入を申告して借入申込みを行い、平成21年7月に4600万円の融資を受けていた。

しかし、金融機関は、説明会資料で勤務先及び収入の虚偽申告の有無を確認するために有効であるとされている在籍確認を十分に行ったり、収入証明書類の提出を求めたりしておらず、虚偽申告に気付かずに融資を行っていた。

そして、本件融資金の返済は、10回分(元金返済額計71万円)しか行われずに延滞に至っていた。

なお、本件は貴機構による要請等が行われる前に発生したものであるが、当該金融機関は、要請等を受けた後も、当該審査項目について審査方法を特に変更していないとしていた(事例2も同様)。

<事例2>
借受者Bは、別人名義で、虚偽の勤務先及び収入を申告して借入申込みを行い、平成21年9月に1790万円の融資を受けていた。

Bが金融機関に提出した収入証明書類の記載内容には矛盾があり不自然なものであったが、当該金融機関は、記載内容のチェックを十分に行っておらず、矛盾点に気付かずに融資を行っていた。

そして、本件融資金の返済は、2回分(元金返済額計18万余円)しか行われずに延滞に至っていた。

【引用終了】

こんなことが繰り返され、そのリスクを織り込んだ金利となりますと、本当にフラット35を利用したいという人がその負担を強いられることになります。

ですから、フラットの審査が甘いというのは、審査を申し込むときは、嬉しいものですが、実際は、そういった不正の温床にもなりかねず、またその分のリスクを考慮した金利が提示されている可能性があるということになります。

実際、筆者もフラット35の審査を申し込んだ際、転職して数年ということで、企業勤務年数が短く、審査が通るかどうか不安でした。ですから、フラットの審査が甘いと聞いたときは、安堵したものです。

しかし、多少厳しい方が、実はその分、信用リスクの低減が期待できて、金利の低下を受けられるのかもしれません・・・。

※会計検査院も不正を行う人をしっかりと審査するべきと言っていますが、こういった不正を防ぐ仕組みを本来設けるべきですが、今のフラットの拡大の規模から言うと、不正だけをピンポイントで探す仕組みを設けるのは極めて困難なのかもしれません。

ちなみに別ページで説明していますが、フラット35の審査基準では、

○貸付けの目的
○対象となる住宅
○貸付額
○償還条件等に関する基準
○債務者の年間収入に占める年間合計返済額の割合の上限
(借受者に係る返済能力や信用状態の基準が定められている)

これらの項目があります。

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