任意売却物件を買う側のメリットとデメリット

任意売却物件を買う側のメリットとデメリット

任意売却物件は一般的な物件に比べると安い価格で買えることが多く、特に立地が良く、築浅の任意売却物件は、買い手からすれば、不動産ではないと言われる”掘り出し物”に近い物件になることもあります。(ただ、そんな物件が出回ることは滅多にありませんが・・・)

そこで、今回は任意売却物件を買う側のメリットとデメリットについて説明してみたいと思います。

順番に見ていきましょう。

任意売却物件を買う側のメリット

任意売却物件を買う、つまり、マンションや戸建てを手に入れる方のメリットとデメリットを当サイトの編集部が表にまとめたのが、下記の表です。

 任意売却物件を買う側のメリット任意売却物件を買う側のデメリット
1時価よりも安い価格で購入できる債権者全員の同意が必要なため、交渉が難航しやすく時間がかかる
2売買の手続きは通常の売却とほぼ同じ売主の税金や管理費などの延滞が多いときは、購入できない可能性がある
3掘り出し物を購入できる可能性がある瑕疵担保責任がない
4売主によっては、状態があまりよくない物件を掴む可能性もあり
5売主が多重債務者の場合は、債務に関するDMが投函されることもあり

〇時価よりも安い価格で購入できる

任意売却物件には、後ほど説明するデメリットも多く、その影響もあり、物件価格は一般的な売却に比べると比較的安い価格で購入することができます。

ただ、任意売却専門の情報サイトを見ても、物件の掲載数はあまりなく、任意売却物件を買うということ、そのものが簡単なことではありません。

もし、いずれ購入を考えているエリアがあるのであれば、その地域の不動産会社に任意売却物件が出たときに情報提供して欲しいということをお願いしておくのもいいと思います。

通常であれば、レインズと呼ばれる不動産屋同士が閲覧可能なシステムの中に、物件が登録され、相場よりも安い物件があれば、もしかすると、それが任意売却物件の可能性があります。

ただ、売り主の債務状況によっては、例えば、多重債務を抱えていて、税金を滞納していて差し押さえが解除できないなどの理由で、買い手側の負担が、ぎりぎりになって増えるケースもありますので、そういった点は頭に入れておく必要があるでしょう。

〇売買の手続きは通常の売却とほぼ同じ

任意売却物件だからと言って、手続きそのものに大きな違いがあるわけでは基本的にありません。

ただし、瑕疵担保責任がなかったりするので、契約条件の中にそういった条項が盛り込まれたり、別途、契約書を結んだりすることはありますが、それ以外では特に大きな相違点はありません。

〇掘り出し物を購入できる可能性がある

任意売却には、普通の売却とは異なり、販売できる期間が限られているという時間的な制約があります。

つまり、売り主は債務不履行で住宅ローン契約が破たんしていますので、一刻も早く売却するか、それができなければ、競売にかける他ありません。

となりますと、必然的に価格は下げてでも販売せざるを得ません。

特に任意売却の場合は、住宅ローンの滞納についての警告や督促などに対して、ぎりぎりまで放置しているケースが少なくなく、任意売却ができるのが、競売まで残りわずかというケースもあります。

そんなときは、かなり価格を下げて物件が販売されることになりますので、そういった意味では、状況によっては、掘り出し物が出てくる可能性があると言えます。

任意売却物件を買う側のデメリット

では、続いて任意売却物件を購入する側のデメリットを見ていきましょう。

〇債権者全員の同意が必要なため、交渉が難航しやすく時間がかかる

任意売却の物件は、その物件の性質上、売り主の意思だけでなく、債権者全員の同意が必要なため、価格交渉なども含めて、合意に達するまで時間がかかることが少なくありません。

また、債務者が税金やマンションの管理費の滞納を隠していて、それが契約直前になって明らかになって、その問題の解決に不動産屋が奔走したりするなどといったケースもあります。

その他にも、複数いる債権者の中の低位抵当権者が、任意売却を進めることに難色を示して、一向に契約がまとまらないといったケースもあります。

任意売却物件を購入するときは、こういったリスクがあるということは知っておきたいところです。

〇売主の税金や管理費などの延滞が多いときは、購入できない可能性がある

税務署や市税事務所は、税金の滞納に対して断固たる措置で臨むことが多く、任意売却を考えている売主の滞納額によっては、差し押さえ解除に簡単には応じてくれません。

また、フラット35を展開している住宅金融支援機構が債権者の場合でも、任意売却の売却代金から認めているのは、税金滞納分の元金の一部に過ぎず、延滞金などに対しては、控除することは認めていません。

つまり、売主は税金の元金が足りない分や延滞金については、売り主が手配するか、あるいは、任意売却後に支払うという確約が取れなければ、任意売却そのものが進めることができないという可能性があります。

それは、マンションの管理費や修繕積立金でも同様で、遅延損害金などは少なくとも、売主が用意する必要があります。

買い手として、それに対して対応する手だてはありませんが、不動産会社によっては、買い手と金額面で交渉してくるという可能性は十分にあります。

〇瑕疵担保責任がない

任意売却が一般の売却と異なるところといえば、瑕疵担保責任がないという点が最も典型的なポイントになります。

瑕疵担保責任は、通常、住宅にあって然るべきものがないことに対する責任で、雨漏りやバルコニーやベランダの手摺の故障、異常な湿気とかびの発生、主要な部位の木部の腐蝕などがあった場合、もちろん、その程度によりますが、売り主が買主に対して、売り主の費用で修繕しなくてはいけないというものになります。

ところが、任意売却をする売主は、そもそも住宅ローンを債務不履行になるなど、経済的に追い詰められている状態です。

そのような状態ですから、瑕疵担保責任を売り主が取ることが現実的には難しいため、任意売却では、売り主の瑕疵担保責任は問わないということになっています。

そこで、任意売却物件の購入のためには、ホーム・インスペクションなどを利用したり、仲介している不動産会社に対して、重大な瑕疵がないかということをしっかりと確認しておく必要があるということになります。

〇売主によっては、状態があまりよくない物件を掴む可能性もあり

瑕疵担保責任まではいかなくとも、任意売却物件の中には、売り主のメンテナンス不足と思われる物件も決して少なくありません。

実際にあるケースでは、見た目としては問題なさそうに見えるが、クロスに応急処置的な修繕がされているところが所々にあったり、キッチンや洗面所が使えなくはないが、使用するのに不便を感じるといった例があります。

物件を慎重に見て、必要であれば、リフォームも視野に入れておいた方がいいと思います。

〇売主が多重債務者の場合は、債務に関するDMが投函されることもあり

任意売却を行う売主が多重債務者であるケースがあると説明しましたが、そうした売主の場合、どういった金融業者からお金を借りているか分からないといったケースもあります。

そして、多重債務者のもとには、ローン一本化を推奨するDMなど債務に関するチラシなどがポストに投函されるということもあります。

売主が引越しした後も、そういった業者は直接ポストに投函してくることがありますので、あまりに目に余る場合は、業者に連絡して、DMを投函しないように伝える必要があります。

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まとめ

「任意売却物件を買う側のメリットとデメリット」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

任意売却物件を購入するときの注意点とリスクについて、もっと詳しく知りたいという方は、「任意売却物件を購入するときの注意点とリスク」の記事も参考にどうぞ。

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