任意売却物件を購入するときの注意点とリスク

任意売却物件を購入するときの注意点とリスク

任意売却物件は、一般の売却物件の購入とほとんど同じですが、若干、異なる点があります。

そして、それに付随したリスクと購入する際の注意点も存在します。

そこで、今回は、任意売却物件を購入するときの注意点とリスクについて説明したいと思います。

任意売却物件の債権者について

任意売却物件では、その売却の合意にあたって、全ての債権者の同意が欠かせません。

低位の抵当権者がいたりなど、複数の債権者が絡んでいる任意売却物件の場合は、特に注意を払う必要があります。

例えば、任意売却物件の購入を進めるにあたって、売主が債権者に伝えていないような物件の値下がり要因があった場合、債権者によっては、任意売却を認めないというケースがあるからです。

具体的には、購入前の住宅検査で重大な欠陥が見つかり、そのための費用が必要になることが分かったため、売却代金から支払う必要が出てきたというケースや、売主が任意売却を委託していた不動産会社に、低位の抵当権者である債権者のことを隠していて、任意売却そのものが頓挫するケースなどがあります。

また、任意売却物件は、一般の物件より価格が安いことがほとんどですが、さらなる値下げ交渉をすると、その価格で全ての債権者の同意が必要となることから、複数の債権者がいる場合は、合意の形成において、難航が予想されます。

任意売却の場合は、一定時間を経過しても、売却ができないようでしたら、競売にかけられることになりますが、低位の抵当権者は、任意売却にかけられても、競売にかけられても、いずれにしても融資したお金は、ほとんど回収できません。

そういった意味では、低位の抵当権者である債権者は、少しでも気に入らないことがあれば、任意売却を認めなければいいのです。

買い主からしてみると、これは注意すべきリスクと言えます。

時間と手間をかけて、交渉しても急に購入ができなくなってしまうからです。

債権者が銀行や保証会社といったケースでは、一旦、任意売却が認められれば、よほどのことがない限りは大丈夫だと思いますが、複数の債権者が絡む任意売却物件には、注意を払う必要があります。

売主の瑕疵担保責任の免責について

任意売却物件の中でも、最も注意を払う必要があり、そしてリスクとなるのが、売り主の瑕疵担保責任の免責です。

任意売却を決断した売主は、一般的には、住宅ローンの支払いを滞納して、経済的に返済が難しくなったという人です。

あるいは、共有名義になっている場合などは、その家庭=世帯です。

住宅ローンの支払いが困難になった売主は、言い換えれば、任意売却した後にマンションや、一戸建てに瑕疵が見つかったとしても、それを回復させるだけの経済力がないということになり、瑕疵担保責任を求めることができません。

売り主の瑕疵担保責任の免責は、中古住宅ということを考えれば、非常にリスクとなるというのは、間違いないでしょう。

下記は、過去の判例で瑕疵担保が争われた事例ですが、中古住宅では、下記のような点は、特に注意を払う必要がありますし、瑕疵担保責任がない任意売却物件では尚更と言えます。

 瑕疵の内容
1給排水設備の故障・・・水漏れなど
2一戸建てなどの主要な部位の木部の腐蝕など
3シロアリなどによる家屋の腐蝕
4バルコニーやベランダの手摺の故障など
5容積率および建ぺい率の違反
6耐震強度不足
7ひび割れや亀裂、鉄筋の耐力低下
8ホルムアルデヒドを発散する床材の使用
9異常な湿気とかびの発生
10保温材の厚さ不足及び風呂の設置条件を満たしていない
11地下鉄の騒音及び振動を伝搬する欠陥
12建物が傾斜していること
13建物の不同沈下
14地盤沈下
15天井などの雨漏り

売主が多重債務者である可能性について

任意売却を決断するほど、経済的に追い込まれている売主が、住宅ローンの他に、不動産担保ローン、自動車ローンや、カードローンなど、多重債務者になっているというケースは珍しくありません。

そして、そうした多重債務者の物件には、そうした”業者”が群がっていたという過去があります。

その過去の影響を受けるのが、迷惑なチラシやDMです。

具体的には、任意売却物件を購入した新たな買い主の郵便受けに、ローンの借り換えや債務整理など、金融業者や債務整理などを仕事としている業者からの、チラシやDMが度々、届けられることがあります。

以前の住人である前の売主を郵便の転送手続きをしていれば、そんなことはないのでは?という方もいるかもしれませんが、それは郵便局などの一般の郵便業者を使った場合に限られます。

そういった金融業者や債務整理などを行っている業界では、ポスティングを行う人を雇い、利益になりそうな住宅に焦点をあわせて、チラシやDMを自前で届けに来ることが決して少なくありません。

迷惑防止条例が施行されたり、個人情報保護が厳しくなった現在は、それほど多くはありませんが、決して可能性がないわけではないという意味で、注意点として記載させていただきました。

なお、そうした迷惑行為が繰り返されことがあれば、管轄の警察などに相談してみることをおすすめします。

税金などの滞納による差し押さえについて

任意売却物件では、固定資産税や都市計画税などの税金の滞納は、差し押さえの対象になります。

そして、それらは任意売却で行われた代金から工面することはできません。

つまり、任意売却の購入を進めているうちに、売主が税金などを多額の滞納をしていることが分かると、差し押さえが行われて、任意売却そのものが頓挫する可能性があります。

売主が、そうした税金などを滞納していないかという点については、事前に確認しておく必要があると言えるでしょう。

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まとめ

「任意売却物件を購入するときの注意点とリスク」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

任意売却と一般の売却の違いについて、もっと詳しく知りたいという方は、「任意売却と一般売却の違いとは?」の記事も参考にどうぞ。

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