任意売却は住宅ローンの延滞なしでも可能?

任意売却は住宅ローンの延滞なしでも可能?

住宅ローンの支払いについて、今後の見通しが立たず、任意売却を行うことを決断したが、今はまだ住宅ローンの支払いは続けているという場合、任意売却に着手することは可能なのでしょうか?

結論から先に申し上げれば、可能なケースもあるということになります。

では、どういったケースが考えられるか、任意売却の仕組みとともに、見ていきたいと思います。

期限の利益の喪失と代位弁済、そして任意売却

一般的な任意売却では、下記のイメージのように、債権者から期限の利益の喪失通知が届いた後に代位弁済を行い、そして、債権者が債務の一括返済を求めることができるという状況になった後で、任意売却を行うことができます。

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つまり、債務者は住宅ローンの支払いを続けている間は、任意売却をすることができないというのが通常の手順ということになります。

期限の利益喪失前に任意売却はできるのか?

では、期限の利益喪失前に任意売却はできるのでしょうか?

結論から言ってしまえば、債権者である銀行、そして、債務者が同意の上で行うのであれば、特に問題はありません。

まず、債権者である銀行は、ほとんどのケースで住宅ローン契約を消費者と結ぶ一方で保証会社とも契約を結んでおりまして、元本割れするというリスクは、ありません。

つまり、銀行がある家族と4,000万円の住宅ローンを組んだ場合に、途中で住宅ローンを支払うことができなくなっても保証会社から4,000万円を代位弁済してもらえるので、元本という意味では、銀行は損をしないということになります。

とは言え、銀行が全く、損をしないということではありません。

銀行は4,000万円の支払いについてくる利息収入を利益にしていますので、住宅ローン破たんが出てしまいますと、その分の利益が減ってしまうということになります。

ですから、銀行としては、1回でも多く住宅ローンを支払ってもらって、利息を手にした方が利益になるということになります。

しかし、近年の金利の状況を冷静に見てみると、まさに異次元とも呼べる低金利となっておりまして、固定の1%というのも当たり前になっています。

銀行によっては、もうほとんど利益にならないような歴史的な低金利といっても過言ではありません。

ということは、仮に任意売却するかどうかの瀬戸際にいるような世帯との交渉を粘り強く続けて、数年その支払いを続けてもらっても、銀行にとっては微々たる利益しか入ってこないということになります。

ましてや、そうした交渉を続けるにあたって、銀行は人員を手配し、それなりの時間を割かなくてはいけないのです・・。

つまり、銀行からしてみれば、低金利で契約している世帯が任意売却をしたいというのであれば、場合によっては、そうした方が少なくとも、人員のコストをかけずに済むので任意売却を進めた方がいいということになるわけです。

しかし、低金利で契約しておらず、銀行側にとって美味しい=利益になる高い金利で契約している住宅ローン契約者の場合は、事は簡単に進まないでしょう。

銀行にとってみれば、数年先まで支払いを頑張ってもらえれば、それなりの利益を手にすることができるからです。

そのときは、銀行側も任意売却をしたいという意思を伝えられても、「もう少し頑張ってみましょう」ということになると思います。

銀行家は雨の日に傘を取り上げる?

銀行が任意売却を認めるかどうかというポイントは、金利収入と代位弁済の説明でお分かりいただけたかと思いますが、もう一つ重要なポイントは、債権者である銀行家も人間であるということです。

雨の日に傘を取り上げるなんていう皮肉を言われるほど、ビジネスライクな銀行家ですが、とは言え、銀行員も人間です。

任意売却を考えるほど、経済的に追い詰められた状況にある家庭のことを理解して、納得ができれば、金利収入の分、損をしてしまうとは言え、相手のことを考えて、任意売却を認めてくれる可能性もあります。

そういった意味で言えば、何も事前の連絡をすることなく、住宅ローンを滞納しはじめて、期限の利益の喪失まで続けて、はじめて債権者の同意を得て任意売却に入るよりは、住宅ローンを滞納する前に、債権者に事情を説明するということは、心象的にはよくなる可能性があります。

少なくとも、債権者でもある銀行は、事前に知らされていなかったということに対して、感情的になる理由はなくなると思います。

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まとめ

「任意売却は住宅ローンの延滞なしでも可能?」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

任意売却は債権者との合意を得た上で進めることが大前提となりますので、債権者との関係づくりがとても大切であることがお分かり頂けるかと思います。

任意売却の依頼のタイミングや依頼先についても詳しく知りたいという方は、任意売却の依頼のタイミングや依頼先についても参考にして頂ければと思います。

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