任意売却物件の差押と解除及び抹消について

任意売却物件の差押と解除及び抹消について

任意売却は住宅ローンの滞納が重なった後、物件を売却することにより、債務の一部を返済するという形になりますが、任意売却をしようとする場合に差し押さえがされていると、任意売却そのものができません。

では、どういったときに差し押さえが執行され、そしてその差押えが解除されるのでしょうか?

順番に見ていきたいと思います。

固定資産税や住民税の滞納による差し押さえと任意売却

任意売却を決断する人は、ぎりぎりまで住宅ローンの支払いを続けてきて最後の最後で決断することがありますが、中にはその他のローンや税金を滞納をしている場合も少なくありません。

そして、税金の滞納をしている場合、その税金徴収のために、国や市区町村はあらゆる手段を講じて徴収を行ってきます。

例えば、給料や保険の返戻金の差し押さえ、そして果ては車や家財道具、不動産の差し押さえまで行います。(ちなみに自己破産をしても税金の滞納は免れることができない場合もあります)

また任意売却の場合、具体的には固定資産税や都市計画税、そして住民税などの滞納がそれにあたりますが、これらの税金の支払いについては、任意売却の売却代金から充当されることがあっても、わずかにすぎません。

例えば、フラット35を提供している住宅金融支援機構が債権者の場合は、控除費用は

10万円又は固定資産税・都市計画税1年分のいずれか低い金額(延滞金は不可)

と定めています。

債権者がその他の金融機関などの場合でも、固定資産税や住民税の滞納金を売却代金からどれだけ認めてくれるかは債権者次第になりますが、多額の税金未納がある場合は、簡単に認めてくれることはありません。

ちなみに、国税徴収法第16条では

「納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する」

とありまして、税金の法定納期限と抵当権設定登記日の早い方が優先されますので、一般的には住宅ローンを組んだ後に任意売却をする場合、売却代金は抵当権者への支払いが優先されることがほとんどです。

また、売却代金から捻出できない上に、手持ちの資金からも滞納している税金を支払うことができないと、対象となる任意売却物件そのものに差押登記が執行され、任意売却そのものができなくなってしまいます。

仮に差押え登記がなされた場合は、それまでの滞納分の税金とそれに伴って発生している延滞金を支払って、はじめて差押え登記が解除となり、それにより、ようやく任意売却が可能になります。

ただ、実際の現場では、滞納している税金が多額の場合、一括での支払いを待っていては競売にかけられてしまいますので、不動産会社が税務署などとの交渉にあたり差し押さえ解除のために動いたり、あるいは、新しい買い手や債権者と交渉を重ねて、税金未納による差し押さえの解除に向けて契約の内容や金額を調整したりということが行われます。

任意売却における差し押さえの解除

不動産会社が債権者、税務署、市税事務所などの差押え解除についての交渉を重ねて、金額的な同意を得られることができれば、あとは、任意売却物件の購入者との契約を待つだけです。

購入者からの売却当日あるいはその翌日などに、売却代金の一部から税務署、市税事務所へ未納分の税金が支払われ、差押え登記が解除されるという流れになります。

任意売却に携わった司法書士が契約内容を確認してくれます。

税金の滞納以外の差し押さえと差押えの抹消

住宅ローンの契約を複数の金融機関と結んでいる場合、後順位抵当権者等は、住宅ローンの支払い遅延が起こると、該当のマンションや一戸建てなどの不動産に差押えの登記を行うことが少なくありません。

そして、彼らの差し押さえの解除についても、そのためのお金を用意する必要があります。

税務署などと同様、不動産会社が債権者などと交渉を行い、売却代金から差し押さえ解除のための資金を捻出することがほとんどです。

ちなみに、住宅金融支援機構が債権者にいる場合の基準には以下の様な基準があります。

後順位抵当権者等に対する抹消承諾料ー第2順位以下には、30万円または残元金の10%(※いずれか低い額)

後順位抵当権者等に対する抹消承諾料ー第3順位以下には、20万円または残元金の10%(※いずれか低い額)

後順位抵当権者等に対する抹消承諾料ー第4順位以下には、10万円または残元金の10%(※いずれか低い額)

債権者の差押え登記の抹消についても、任意売却物件の払い込みがなされる契約日に買い手からの入金を債権者に分配して、手続きが進められることになります。

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まとめ

「任意売却物件の差押と解除及び抹消について」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

なお、任意売却の控除費用についてもっと詳しく知りたいという場合は、「任意売却における住宅金融支援機構の控除費用について」よりご覧ください。

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