任意売却とサービサー(債権管理回収会社)について

任意売却とサービサー(債権管理回収会社)について

任意売却を通じて住居や土地を売却した後に残る住宅ローンの債務については、保証会社からサービサーと呼ばれる債権管理回収会社に債権が譲渡されるというのが一般的な流れになります。

今回は、サービサーと呼ばれる債権回収会社について説明していきたいと思います。

任意売却とサービサーへの債権譲渡の流れ

住宅ローンの滞納が続いた後、代位弁済を通じて、債権者(銀行や住宅金融支援機構など)から保証会社に債権が譲渡されると、その次はいよいよ任意売却が行われて、サービサーへの債権譲渡へと移行します。

それが、下記のイメージになります。

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そして、通常、任意売却をした後に残る住宅ローンの残額の債権については、無担保債権と呼ばれる債権で、サービサーの手に渡る債権には、担保となる不動産や物件がありません。

そして、その残額と支払いまでの流れをイメージにしたものが、下記になります。

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例えば、任意売却を行った後に1,000万円の住宅ローンの残額があったとすると、サービサー(債権管理回収会社)の手に渡る債権は100万円(サービサーの利益込み)で、その100万円を住宅を任意売却した債務者が支払っていくという流れになります。

無担保債権の価格ですが、残った住宅ローン債権の3~5%程度が買い取り価格とも言われていて、その実情は明らかになっておりません。(上の例で言えば、30万円~50万円がサービサーの買い取り価格ということになります)

そもそも、サービサーとはどんな存在?

サービサーは、債権管理回収会社という長い名前になっていますが、その業務内容は平たく言えば、借金の回収業務などを行っている会社ということになります。(厳密には、債権価格の算定や金融機関からの委託を受けた上で債権回収の代行などをしたりしています)

実は、この債権管理回収業務は、もともと弁護士にのみ認められた業務でした。

しかし、不動産バブル崩壊後の大量の不良債権の処理を迅速に進めるために、1999年年2月に「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)が施行され、厳しい取り立て規制と取扱債権の種類を限定した上で民間企業の参入を認めることになりました。

〇サービサーの取立て規制

 内容
1午後9時から午前8時までの電話連絡へ債務者の自宅への訪問の禁止
2債務者の同意を得ない勤務先への訪問の禁止
3暴力的な態度や大声をあげたりすることの禁止
4反復または継続しての督促の禁止

債権の回収というと、非常に厳しい取り立てのイメージがあるという方もいるかと思いますが、少なくとも国から認可を受けたサービサーは、上記の取立て規制を守らなくてはいけません。

また、サービサーそのものも簡単には作ることはできません。

〇サービサーを作ることができる条件

 内容
1資本金が5億円以上
2業務に従事する取締役の1名以上に弁護士が含まれていること
3暴力団員等がその事業活動を支配し、あるいは暴力団員等を業務に従事させるなどのおそれがないこと
4役員等に暴力団員等が含まれていないこと
5法務大臣の許可を受けること
6警察庁長官へ立入検査権を与えること
7債権管理回収業に関して不正または不誠実な行為をするおそれがあると認められる者がいないこと

かなり厳しい条件が課されておりまして、債務者の生活を脅かすような手荒な取り立てが行うことができないようになっています。

サービサーには、どんな会社があるのか

住宅金融支援機構も任意売却を行った後は、債権管理回収会社を利用するなど、依然よりも、かなり裾野が広がっています。

有名なサービサーには、

三菱東京UFJ銀行、株式会社ジェーシービー、損害保険ジャパン日本興亜株式会社が出資する「エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社(MUフロンティアサービサー)

住宅金融支援機構からの住宅ローンの受託・買取を中心にサービサーとしての業務を行っている「株式会社住宅債権管理回収機構

日立キャピタル株式会社が100%出資の子会社である「日立キャピタル債権回収会社

オリックスが100%出資の子会社である「オリックス債権回収株式会社

といった会社があります。

任意売却後のサービサーとの債務返済についての交渉

先ほどサービサーは住宅ローンの残金に対して3~5%程度の買い取り価格で無担保債権を譲り受け、債権の回収を行っていくということを説明しましたが、具体的には、どんな形で債務者は返済して、そしてどんなときに交渉するのでしょうか。

先ほどの例で言えば、1,000万円の住宅ローンの残金に対して、100万円分をサービサーに返済していく場合のシュミレーションとしては、下記のような形になります。

〇毎月1万円を5年続ける

〇最後の支払のときに残りを一括返済

〇金利について応相談

なお、支払いの途中で経済的に余裕が出てき場合、サービサーへ残りの債務をすべて返済したいと申し出て、一括返済の交渉をすることもできます。

ただ、注意が必要なのは、支払いが難しくなったときです。

そうしたときは、債権者と支払い計画について相談することになりますが、債務者本人が交渉するというのは容易なことではありません。

債権者からすれば、自己破産をされてしまうと、債権の回収見込みは無くなってしまいますから、債務者の支払い計画の相談には可能な限り応じたいというのが本音ですが、ただサービサーにも限界があります。

もし、交渉が難航するようなときは、法律の専門家などに相談するというのも一つの方法になるでしょう。

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まとめ

「任意売却とサービサー(債権管理回収会社)について」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

任意売却後の個人信用情報と融資などについてについて、もっと詳しく知りたいという方は「任意売却後の個人信用情報と融資などについて」の記事もご覧ください。

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