任意売却を考えている不動産が共有名義だった場合について

任意売却を考えている不動産が共有名義だった場合について

任意売却を考えている不動産=マイホームの所有者の名義が、一人である場合は、その当人が決断すれば、任意売却を行うことはできますが、仮に夫婦での共有名義だった場合などは、どうなるのでしょうか?

今回は、不動産が共有名義だった場合について、説明していきたいと思います。

では、早速、見ていきましょう。

1.任意売却を行うためには、全ての名義人の承諾が必要

任意売却に限ったことではありませんが、不動産の売却においては、その不動産の売主の承諾を得ることなく、売却することはできません。

それは、共有名義の場合も同じです。

万が一、共有名義の一人の承諾を得ずに、不動産の売買の契約を進めることができても、不動産の名義変更を法務局管轄の登記所で行う際は、必ず、すべての名義人の承諾がないと変更登記をすることができません。

なぜなら、不動産の売買を行い登記所で売主から買主へ名義変更を行う場合は、実印による押印はもちろん、印鑑証明書の提出も義務付けられており、印鑑証明は発行して3ヶ月以内のものという条件も付くからです。

例えば、共有名義人である妻、あるいは、夫が失踪していて、押印もできない、どこに住んでいるかも分からないという状況では、印鑑証明書も出せないということですので、変更登記ができなくなり、土地や建物、マンションを買主に引き渡すことができないということになります。

そんな状況では、買主も取引はしませんよね・・・。

もちろん、そういったことは、専門家である宅地建物取引主任や弁護士の資格を持った人は十分、承知しておりますので、任意売却を決めた段階で、共有名義になっている人すべての同意が必要ですと伝えてくるでしょう。

2.共有名義を外すことはできない?

任意売却を考えているものの、共有名義人の一人が同意してくれないということもあります。

そんなときに、任意売却に反対している人の名義を共有名義から外すという選択肢はないのでしょうか?

結論から言えば、共有名義を外すことは可能ですが、債権者がそれを認めてくれる可能性は低いと言えます。

まず、任意売却を考えているということは、住宅ローンを払いながら、マンションなり、一戸建ての家と土地に住んでいると考えられますが、共有名義をやめて、名義を一人にするためには、一旦、住宅ローンを全額返済をして、名義を変更した後で、再度、住宅ローンを組み直さなければならないことがほとんどです。

銀行などの債権者は、共有名義にする際に、その不動産に対して、”共有”ということでリスクを算定して、金利や融資の枠などを決定しています。

しかし、その住宅ローン契約の前提である”共有”を外すということは、その前提が変わるということを意味していますので、銀行などの債権者も名義変更については、すぐに首を縦に振るということは難しくなります。

例えば、兄が医師で収入が多く、弟は普通のサラリーマンで平均的な所得で、同じ物件に住んで住宅ローンを組んでいた場合、残りの住宅ローンを弟一人の名義にして残債を払いたいと申し出た場合、銀行などの債権者は、恐らく、金利を引き上げることを検討するでしょう。

なぜなら、収入のあった兄がいなくなってしまって弟一人で支払うとなると、融資が回収できないリスクが高くなってしまうからです。

しかし、任意売却の場合は、この先、もう支払いが難しくて、不動産の売却を考えているわけなので、金利などは関係なくなるのでは?

その通りです。

しかしながら、住宅ローンの契約を結んでいる以上、名義が変わるということは、銀行などの債権者側は一旦、、住宅ローンの残債を一括返済する方法、そして再契約について検討せざるを得なくなります。

つまり、任意売却をするために、銀行などの債権者側はとても手間をかけなければならないということになります・・。

銀行などの債権者側からすれば、ただでさえ、想定していた利益が取れなくなってしまうという任意売却のために、これ以上、手間をかけたくないというのが本音です。

共有名義人になっている人全員を説得して欲しいと言われることがほとんどでしょう。

また、任意売却の場合は、銀行などの債権者の同意を得られないと、任意売却そのものが進められないために、売主が債権者を困らせてしまっては、元も子もありません。

ただ、銀行などの債権者に、正直に現状を伝えることで、別のアイデアが生まれるかもしれませんので、相談してみる価値はあると思います。

3.反対している共有名義人を説得できない場合は・・・

任意売却に反対している共有名義人を説得できない場合、銀行などの債権者との支払計画の再検討以外に残されている道は、残念ながら、競売しかありません。

競売になると、ほとんどのケースで、任意売却を大幅に下回る金額で売却をせざるを得なくなり、競売の入札がなされた後は、ただちに退去する必要に迫られてしまいます。

また、残債への対応も、任意売却よりは厳しい現実が待っています。

任意売却を進めるためには、共有名義になっている人の同意を何としても、取り付けましょう。

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まとめ

「任意売却を考えている不動産が共有名義だった場合について」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

任意売却と競売について、もっと詳しく知りたいという方は「住宅の任意売却と競売の違いとは?価格差だけじゃない!」の記事もどうぞ。

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